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医療記事

7・8月号

ママと子どもの夏場のスキンケア きれいな肌を保つコツをお伝えします!

毎年夏になると、あせもなどの湿疹に悩まされる…というママと子どもも多いのでは? 紫外線や汗による肌トラブル。健やかな肌を保つには、夏には夏のスキンケアが必要です。 今回は、保湿やケアのポイント、夏場の肌トラブルについて、専門医の先生にお話を伺いました。

まず大切なのは、皮ふをきちんと洗うこと!

皮膚を洗浄して清潔にすることは、皮膚本来の機能を維持して
健康な皮膚を保つために重要なスキンケアの第一歩。
入浴やシャワー浴の方法は様々ですが、
皮膚を適切な方法で清潔にすることで肌トラブルの改善につながることもよくあります 。

〜皮膚の洗い方〜
体を洗う際に、スポンジ、ナイロンタオル、
ボディーブラシなどで強くこすると皮脂が過剰に取れてしまい、
皮膚にも細かい傷がついてバリア機能を逆に損ねてしまうことになります。
「アカ」とは、古くなった角質層であり、
皮膚のターンオーバーで自然に落ちていきますので、
通常の入浴を行っていればあまり強く肌をこする必要はありません。

洗い方のポイントは、適量の洗浄剤をよく泡立てて手のひらで洗うようにすること。
そうすると皮膚への刺激を避けることができ、
さらによく泡立てることで皮膚に触れる洗浄剤の濃度を低くすることできます。
泡を多量に作ろうとして洗浄剤を多く使用しすぎないようにしましょう。
汗が少ない季節であれば汗をかきやすい部位や陰部以外はお湯で流すだけでも十分です。
洗浄剤の主成分は界面活性剤であるため、
脂質を溶出させ皮膚の乾燥をまねくことがあります
(濃度によっては,刺激性の皮膚炎をおこす可能性もあります)。

〜汗の働きを知ろう!〜

汗は皮脂と混ざり合うことで皮脂膜を形成し、角質層の第一線の防御壁となります。
また、汗は体温調節や皮膚の表面を潤す保湿効果なども併せ持ち、
皮膚の恒常性を維持するたねに不可欠な要素です。
汗腺はほぼ全身にありますが、生後に新生することはありません、
その汗腺の密度が乳児では成人の7倍以上にもなるため、
乳幼児は汗による皮膚トラブルがよく見られるのです。

 夏季の高温時や運動によって熱が発生した時に大量に出る汗は、
比較的多量の塩分を含んで強い酸性に傾くため、皮膚への刺激性が強くなります。
汗をかいたら速やかに洗い流し、衣服を着替えましょう。
一方で、汗をかかないと角質水分量が減少して、皮膚が乾燥しやすくなります。
近年は空調システムが完備されていることが多く、
汗をかかないライフスタイルが乾燥肌につながることがあります。

〜汗によるニオイの原因と対策〜

また、最近は子どもの足や頭皮のニオイに悩む親御さんも増えています。
足や頭皮のニオイは、汗が長時間貯留し、
そこで菌が増えてしまうことによることが原因であることが多いです。
特に足は靴をずっと履いているため、蒸れも強く、菌の繁殖が強く起こりやすい場所です。
対策としては、拭いたり洗い流したりして、汗を取り除いたり、
靴下を履き替えたり、同じ靴をずっと履きっぱなしにしないことなどです。

 どうしてもひどい場合は、皮膚科に相談してみてもいいと思います。

〜日焼け対策は健やかな肌を育成するために大切なこと〜

紫外線量は4〜9月に年間の約70~80%が降り注ぎます。
近年では紫外線による光老化、発がん、免疫抑制などのおそれが指摘され、
幼少期から適切な紫外線対策を行うことは、
生涯にわたり健やかな肌を保つために大切な生活習慣の一つとされています。

 紫外線防御の基本は、日光暴露の多い時間帯(10時~14時)を避ける工夫をする、
複数の遮光方法を組み合わせることです。
日焼け止めだけではなく、服や帽子を工夫したり、日陰を選んだりすることも大切です。
なので、日常的に日焼け止めは必要ないと思いますが、長時間屋外で遊んだり、
日なたでプールや水遊びをしたりする場合は日焼け止めの使用をおすすめします。
保育所でも、日陰で遊んだり、帽子をかぶったり、
真昼を避けるなどの工夫をするように指導されているはずです。

日焼け止めは紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類がありますが、
紫外線吸収剤は肌に刺激になることもあるので、
紫外線散乱剤(ノンケミカル、紫外線吸収剤フリー)をおすすめします。
敏感肌用、子ども用の日焼け止めは、大体が紫外線散乱剤が多いといわれていますが、
ラベルなどの表示をご確認くださいね。

〜夏場の肌トラブルの受診目安〜

暑くなると、汗がたまりやすい部分によく湿疹ができます。
一般的には「あせも」といわれますが、「あせも」は汗によるかぶれです。
痒みがなければ、汗がたまらないように拭いたり、
シャワーを浴びたりして様子を見てもOKですが、痒くて掻いてしまうと炎症がひどくなってしまいます。
掻いていたり、傷があったりする場合は湿疹がひどくなる前に受診をしましょう。

掻かなければ自然に治ることもありますが、子どもに掻かせないようにするのは難しいですよね。
寝ている間に掻いてしまって血が出ているということもよくありますので、注意して観察してあげてください。

〚先生からのアドバイス〛

夏の肌ケアは、清潔を保つことが一番。
皮膚を洗浄して清潔にすることは、皮膚本来の機能を維持して健康な皮膚を保つために
重要なスキンケアの第一歩です。暑くなると、
汗がたまりやすい部分によく湿疹ができ流のですが、
汗がたまらないように拭いたり、シャワーを浴びたりすることで、
「あせも」などの肌トラブルを未然に防いであげてください。掻いていたり、
傷があったりする場合は湿疹がひどくなる前に受診をしてくださいね。

監修/春日居皮フ・リウマチクリニック
山口美由紀院長
笛吹市春日居町別田164-1
0553-39-8658

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