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医療記事

リンキッズ2022年3.4月号

知っておきたい子宮頸がんのあれこれ


洋ナシを逆さまにしたような形をしている「子宮」。 赤ちゃんを育み、産むための役割を持つ大事な器官のひとつです。 そのなかで子宮を脅かす子宮頸がんが、20~30歳代の若い人を中心に近年、増加傾向にあるのをご存知でしょうか。 子宮頸がんは遺伝などに関係が無い病気です。性交経験のある女性なら「誰でも」かかる可能性がある病気です。
今回は子宮頸がんについて、発症の原因や子宮頸がん検診を中心にご紹介します。


Q.子宮頸がんとは?


A. 子宮頸部にがんが発生している状況を指します

子宮は、
・子宮の上部(上から約3分の2)→洋ナシの膨らんでいる部分=「子宮体部」
・子宮の下部(下から約3分の1)→膣につながる管状の部分=「子宮頸部」
に分かれます。
そのうち、子宮体部にがんが発生している状況を「子宮体がん」、子宮頸部にがんが発生している状況を「子宮頸がん」と呼んでいます。

Q.子宮頸がんの原因は?


A.ほぼヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です


ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上の型があることが分かっており、子宮頸がんに関わる型は「高リスク型HPV」と呼ばれます。
主に「性交経験」から感染すると言われていますが、性交経験をしたからといって必ず発症するわけではありません。
性交経験のある女性の半数以上は一生涯のうち一度は感染すると言われているウイルスで、そのほとんどは感染したウイルスが自然に体の外へ排出されています。また男性もHPVに感染しますが、がんを発症することは極めて稀です。

Q.子宮頸がんは増加傾向にあるってほんと?


A.増加傾向にあります

子宮頸がんの発症率は近年、増加傾向にあります。その理由のひとつは「欧米型の食生活」。脂肪の中に溶け込んでいる女性ホルモンの「エストロゲン」は発がんに関係していると考えられており、そのエストロゲンを脂肪細胞が貯蔵や分泌をするからだと言われています。

Q.何歳くらいの人たちがかかっているの?


A.20~30歳代で発生するケースも


子宮頸がんは近年、若年化が目立ってきているがんの1つです。特に増加傾向にあるのは20~30歳代の女性で、乳がんに続いて2番目に多いのが子宮頸がんと言われています。また子宮がん全体の約80~90%は子宮頸がんでもあります。

Q.子宮頸がんは治らないの?


A.早期発見がポイントです


子宮頸がんは初期症状がほとんどありません。しかし早期発見すれば子宮頸がんは他のがんに比べて治癒の見込みも高いため、定期的な検診を受けることが大切です。子宮頸がんの発見が遅れた場合は骨盤の中にあるリンパ節や、血管やリンパ管を通して肺など子宮から遠い臓器に転移してしまうこともあります。

Q.定期的な検診ってどれくらいの頻度?


A.2年に1回程度を推奨しています


山梨県の公式ホームページでは20歳を過ぎたら2年に1回は子宮頸がんの検診を受けることを推奨しています。

Q.子宮頸がんの検診はどこで受けられるの?


A.子宮がん検診指定医療機関で受けることが出来ます。


各市町村が指定する検診機関や医療機関等、職場の検診や人間ドックなどで受診することが出来ます。

Q.どんな検査をするの?


A.まずは細胞診から


通常「細胞診」と「問診」から行います。細胞診とは、子宮頸部から採取した細胞に異常があるか検査する方法です。
問診では、妊娠や分娩歴、不正性器出血などの症状の有無などが聞かれます。
また、検査で異常な細胞が見つかると「精密検査」へと移りますが異常があると判断されても、がんではなく「異形成」と呼ばれる状態の可能性もあります。

Q.異形成ってなに?


A.正常な状態と子宮頸がんの間の状態です


子宮頸がんには「異形成」と呼ばれる状態があります。
異形成とは正常な状態とがんの間のことを指します。HPVによる感染から子宮頸がんとなるまでに平均で5~10年程度は異形成の状態が続くと言われており、この段階でも陽性と判断されます。
また異形成全てががんになるのではなく自然に治ることも。経過観察とするか、治療とするかは医師の判断となります。

Q.異常だなと感じるポイントを教えて


A.下記のような症状がある場合は産婦人科を受診してください


子宮頸がんの初期ではほぼ症状が出にくいですが、進行すると以下のような症状が出る場合があります。


・月経中でないときの出血
・性行為時の出血
・膿や濃い茶色のようなおりものが増えた
・水っぽいおりものが増えた
・粘液が多く出てきた
・腰や下腹部が痛い
・尿や便に血が混じっている

など・・・。

これ以外にも気になる症状が出た場合は、すぐに産婦人科を受診してください。

Q. HPVワクチンがあると聞きました


A.有効性とリスクをきちんと判断してから


HPVワクチンは子宮頸がん全体で50~70%の原因とされているHPV16型と18型の感染を予防する効果があると期待されています。
一方でリスクもあり、HPVワクチン接種後に見られる副反応(副作用)として注射部の痛みや発赤、腫れ、発熱や痺れ、アナフィラキシーなどを起こすこともあります。接種する際には必ず、有効性と副反応について調べ、理解した上で受けるようにしましょう。

監修/産科婦人科清水クリニック
清水洋一院長
甲府市向町450-5
055-221-0341

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