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医療記事

2025年月1.2月号

気になる産後の『生理』について

子宮の内膜がはがれなくなることから、生理(月経)がこなくなる妊娠期間。出産後、いつから生理が再開するのか気になるママも多いはず。実は個人差が大きく、ママの体や心が深く関係しているのです。今記事では再開時期や気を付けたいことなどについて詳しく紹介します。

Q産後はいつから生理が始まるの?

A.再開時期はママによってそれぞれです

個人差が大きく、母乳育児であると産後1年ほど生理が再開されないママもいる一方で、ミルク育児のママは数か月で再開することもあります。生理は心の状態とも関係しているため、産後のストレスなどでホルモンのバランスが崩れていると、なかなか生理が再開されないということも。目安としては断乳してから3ヶ月以上、生理がこない場合は産婦人科医に相談することをおすすめします。

Q. 産後すぐに生理が再開しないのはなんで?

A.体が母乳を出そうとしているから

産後すぐに生理が再開しないのは「プロラクチン」というホルモンが原因だと考えられています。出産後、体が母乳を出そうと「プロラクチン」が分泌しますが、このホルモンが排卵を抑える働きを持っているため、すぐに生理が再開されないのです。プロラクチンは赤ちゃんが母乳を吸う刺激(吸てつ刺激)で分泌が促されるため、授乳回数が多いママほど生理の再開時期が遅くなる傾向にあります。

Q. 産後生理がこなくても妊娠はするの?

A.答えは「YES」

排卵がきてから次に生理という順番であることから、生理が再開する最初の排卵時に妊娠すると生理が再開されません。そのため長い間、妊娠していることに気が付かなかったというママもいます。注意したいのが授乳中であっても排卵する可能性があること。通常、授乳時期にはプロラクチンにより排卵が抑制されていますが、絶対に排卵が起こらないという訳ではありません。もし次の妊娠まで期間を空けたいと考えている場合には、必ず避妊を行いましょう。

Q. 生理がきたら授乳はやめたほうがいい?

A.続けて大丈夫。ママの体が戻ってきている証拠です

1日の授乳回数が減る、夜間授乳がなくなるなどでプロラクチンの分泌量が減少し、授乳中であっても生理が再開されることがあります。ママの体が妊娠前に戻ってきている状態のため、授乳中に生理が再開したママの中には「今までは完全母乳だったのに、急に母乳の分泌量が減ってしまった」ということもあります。その場合はミルクを足してあげましょう。どうしても母乳の分泌量を増やしたい場合は、授乳回数を増やす、体を温めリラックスする、乳房マッサージをするなどが◎。母乳外来などに相談するのも有効です。

Q. 産後の生理で気をつけること

A.ママの体と心を大切にしてあげて……♪

出産は命がけ。生理の再開は出産の大きなダメージと疲労がやっと回復してきたという状態です。ですが出産後もママは初めての育児への不安や慢性的な睡眠不足などに悩まされていることが多く、ホルモンバランスが崩れ生理痛がひどくなるほか、生理不順になることも少なくありません。大豆製品の摂取、適度な運動、睡眠などでホルモンバランスが改善すると言われていますが、あまり深刻に考えすぎず、ストレスをため過ぎない様にすることも大切。周りの人に頼ってリフレッシュする時間を設けるなど、ママの体と心を大切にしましょう。症状が気になる場合は産婦人科を受診するようにしてください。

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