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医療記事

2022年11.12月号 

子どもの歯の変化も大事な成長の過程。 ママたちの悩みに、専門医がおこたえします!

初めての子どもの初めての白い歯を大切に守ってあげたい気持ちだったり、大きくなっていく子どもの歯の変化だったり、繰り返してしまうトラブル。子どもを思う気持ちがあるからこそ、お口周りにも心配は尽きませんね。今回も編集部に寄せられたお悩みを、歯科医の先生におこたえ頂きました。

Q1.小児矯正はいつから始めるのがよろしいのでしょうか。

小児矯正は、だいたい7歳前後から始めるのがよろしいと考えます。といいますのも、小児矯正に用いられる矯正装置は、6歳臼歯を利用した構造が多いためです。その他にも7歳前後であれば、6歳臼歯のほかに前歯部の永久歯もいくつか生え変わっていると思いますので、ガタガタの状態や出っ歯感の様子などを確認しやすい時期です。また、矯正治療は年単位の治療となりますから、7歳前後のお子様であれば親御さんの協力の元で矯正治療の必要性を理解し、装置を頑張って使用してくれるようになります。

しかし、歯並びやあごの成長の記録を取り貯めることは非常に大切ですので、歯並びが気になった時点で矯正歯科医院へご相談するのがよろしいでしょう。

Q2.治療方法にはどんな種類がありますか。

(※治療方法はやや複雑な説明になりそうですので、ここでは「治療装置」の内容に触れることとします。)

大きく分けて、取り外せる装置(可撤式装置)と取り外せない装置(固定式装置)があります。可撤式装置と固定式装置にはそれぞれメリットとデメリットがあります。例えば可撤式装置のメリットは、取り外せるためにブラッシングがしやすいですからむし歯にはなりにくい傾向があります。デメリットは、決められた使用時間を満たさないと矯正力を与えられないため治療が進まないことがあります。固定式装置のメリットは、矯正力を効果的にコントロールできるため治療がスムーズに進むことが多い傾向があります。デメリットは、ブラッシングが不良ですと虫歯になりやすいことがあります。

このような特徴を患者さんの状況に合わせて選択して治療にあたります。

Q3.矯正は痛いイメージがありますが、子どもでも耐えられますか?

矯正治療にはどうしても痛みが伴うことがあります。痛みについても「装置に慣れるまでの痛み」と「歯が動く痛み」があることを説明しています。例えば「装置に慣れるまでの痛み」としては、お口の中に装置が入れば異物感が強く感じることもあり口内炎の原因となることがあります。また、「歯が動く痛み」は、正座をしている感覚が近いかもしれません。正座は足の血流が悪くなりしびれる感覚がでてきます。歯も矯正力により歯の周辺の血流が圧迫されますので痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方は個人差が強く、痛みのない矯正治療はありません。当院でも痛みを気にされる方は多いですが、痛みを理由に途中で治療をやめた方は一人もいませんでした。子どもでも問題なく痛みを乗り越えられると考えています。

Q4.どのくらいの期間で治療しますか?

矯正の装置を使用して治療している期間を「動的治療期間」といいます。症例や治療の難易度によって治療期間は変動しますが、おおむね動的治療期間は1年半から2年程度と考えています。治療後の歯列を維持することも大切ですから、動的治療が終わりましたら「保定」に移行します。保定にもある程度の期間が必要となります。しかし、動的治療は約1か月に1度の来院が必要となりますが、保定期間中は数カ月に1度の来院となりますので、受診ペースを大きく低下させることができます。

Q5.矯正中に気を付ける食べ物はありますか?

可撤式装置を使用している場合には基本的に食べ物の制限はありません。しかし、固定式装置については食べ物や食べ方に気を付けなければ装置が取れてしまうことがあります。特に気を付けたいのは、ガムや餅などの粘着性のある食べ物は、装置が取れてしまうだけでなく装置にくっついた状態で飲み込んでしまうとのどにつかえてしまう可能性があるため、食べることを控えるべきと考えます。また、お肉やお煎餅などは前歯で噛むとブラケットが取れてしまうことがあるため、なるべく奥歯で噛むようにすることも装置のトラブルを避けることができます。

 

ニッコリ矯正歯科クリニック
院長 小林 弘史先生
〒407-0015 山梨県韮崎市若宮1-2-50 
韮崎市民交流センター(ニコリ)3階
電話:0551-22-0550

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