Q.乾燥性湿疹とは?
A.「乾燥性湿疹」とは皮膚が乾燥している状態がさらに悪化したことによって発症する病気です。肌の乾燥が続くことで痒みや湿疹・炎症・水ぶくれ等が併発するのが特徴で、人によっては肌がサメ肌のようにザラザラになったり、乾燥した皮膚がフケのように剥がれ落ちたりすることもあります。また年齢に関係なく発症する病気ですが、皮膚を守る脂の量が減少する40代以降が発症しやすいと言われています。皮脂分泌が落ち着いてくる生後3か月頃の赤ちゃんも要注意です。ちなみにアトピー性皮膚炎に似ていますが乾燥性湿疹は原因がアレルギーではなく、乾燥による点が異なります。
Q.発症しやすい部位は?
A.乾燥性湿疹が発症しやすい部位は主に以下の通りです。
・ひじ
・すね
・手の甲
・目のまわり
・ほほ
等……。
肌が露出している部分、皮膚が薄い部分は乾燥しやすい傾向にあります。また皮膚が比較的、皮膚が厚い部分であっても痒みのためバリバリと掻きむしったことで皮膚が傷つき、湿疹に繋がることもあります。
Q.原因は?なぜ発症するの?
A.乾燥性湿疹の主な原因は「乾燥」です。通常、皮膚には乾燥や紫外線などから守るバリア機能が備わっていますが、この機能が低下したことにより肌荒れが発症します。バリア機能は大きく分けて皮膚からの水分の蒸発を防ぐ「皮脂」、肌の内側の水分を維持する「角質細胞間脂質」、角質層にある細胞の水分を維持する「天然保湿因子」に分けられますが、年齢や環境・部位によってその成分量が異なるほか、生活スタイルによって必要とされる皮脂の量も異なります。そのため外部環境とバリア機能のバランスが崩れることで「乾燥肌」を引き起こし、さらに不十分なケアにより乾燥肌の状態が続き悪化したことで、痒みや湿疹・炎症・水ぶくれ等の症状を併発する「乾燥性湿疹」に発展します。原因となる乾燥は、乾いた空気や風に肌が当たるほか、身体(手など)を必要以上に洗いすぎる・熱すぎるお湯(40℃以上)に触れるなどから起こると言われています。
Q.日常生活で行えるスキンケアは?
A.乾燥している肌には「保湿」と「刺激を避ける」ことが大切です。バリア機能が低下している状態の肌は、外部刺激に敏感になりやすいため顔や身体を洗う際には洗浄液を泡立たせ、たっぷりの泡でこすらず洗ってください。クレンジングもなるべく短い時間で行うことを意識し、乾燥しにくいミルクやクリームタイプのものを選ぶのがおすすめです。熱すぎるお湯(40℃以上)は肌の乾燥を促してしまうため、ぬるま湯で洗い流すことも忘れずに。身体を清潔にした後は時間を空けずに、すぐに保湿をしましょう。化粧水→美容液→乳液→クリーム(バーム)の手順でスキンケアを行うと効果的です。背中や足など範囲の広い場所はボディクリームやボディミルクを使用するのも良いでしょう。
Q.皮膚科を受診するタイミングは?
A.肌に異常を感じたタイミングで受診してください。不十分な対策により悪化させてしまうことは珍しくありません。出来るだけ早いタイミングで適切な対処を行うことが改善に繋がります。症状によってはステロイド剤を処方されることもありますが、自己判断で治療を中断するとリバウンドする可能性もあります。中止のタイミングは医師の判断に従うようにしましょう。