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医療記事

2024年7.8月号

どうしてできるの?!気になる「大人ニキビ」のこと

気が付くと肌にプツプツ……と現れる「ニキビ」。身近な病気のひとつとして知られ、9割以上の人が経験をしていると言われています。主に思春期に症状が現れることが多いですが、大人になってから初めて経験する人や、思春期以降も同様の症状が続く「大人ニキビ」に悩まされる人も少なくありません。今記事では大人ニキビの原因・症状・対策についてご紹介します。

Q.大人のニキビとは?

「大人ニキビ」は20歳を超えてから肌にできるニキビのことで、医学用語では「思春期後痤瘡(ししゅんきござそう)」と言います。思春期にできるニキビは鼻筋や額などが多いですが、大人ニキビは頬や首、顎、また顔以外では背中や胸などに出来やすい傾向にあります。また思春期にできるニキビとは違い、症状が落ち着いても、すぐにまた現れやすい傾向にあります。

Q.原因は?

ニキビは毛穴に皮脂が詰まることで炎症を起こし、発症します。大人ニキビの原因は多岐に渡り「生理」「睡眠不足」「食生活」「肌の乾燥」「ストレス」「過労」などでホルモンバランスが乱れていることが原因と考えられています。そのため原因が自身のライフスタイルとの関わりと深いほど症状改善に時間を要することもあります。また油分の多く含まれた化粧品を使用してのメイクや、メイクの落とし忘れが原因で大人ニキビが出来ることも少なくありません。

Q大人ニキビの主な種類とは?

大人ニキビの主な種類は以下の通りです。

【レベル1】
白ニキビ:毛穴に詰まった皮脂によって肌が盛り上がっているのが特徴。毛穴の先は閉じている。
黒ニキビ:毛穴の先が開いており、そこから見える詰まった皮脂が酸化して黒くなっているのが特徴。

【レベル2】
赤ニキビ:白ニキビや黒ニキビが炎症を起こしたもの。赤みを帯びて皮膚が盛り上がっている。皮膚が硬くなっていることもある。

【レベル3】
黄ニキビ:赤ニキビが悪化した状態。毛穴に黄色い膿が溜まり、触ると痒さや痛さを感じることもあります。

【レベル4】
紫ニキビ:ニキビの最終形態。黄ニキビから更に炎症が進み、血管を傷つけてしまった結果、血液と膿が混ざりあっている状態です。赤紫色に見えることが多い。

最初はほとんど気にならない状況でも放置することで悪化し、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。出来るだけ早い段階で適切な処置をすることが大切です。

Q.予防や対策はあるの?
まずは肌を清潔に保つことが大切です。可能であれば1日2回、洗顔料を使用して優しく顔を洗うと良いでしょう。メイクをした日には必ずその日のうちにクレンジング剤で落とすことも大切です。その際にはクレンジングは出来るだけ肌に負担の無いものを選んでください。シートタイプは肌への刺激があるので避けるのがおすすめです。紫外線も肌を傷つける要因のひとつですので、日焼け止めを使用しましょう。パプリカやブロッコリーなどから、ビタミン類の摂取を増やすのも効果的です。また根本的な部分となる大人ニキビの原因となっているストレスや食生活、睡眠不足などを見直すことで、大人ニキビが出来にくい環境へと繋がっていきます。

Q.皮膚科(美容皮膚科)へ行くタイミング

大人ニキビが出来たからと言って発熱し、会社へ出社できないというような事にはなりません。しかし大人ニキビが出来たことによって気分が沈んでしまうなど精神的なダメージを負ってしまうことや、悪化することでニキビ跡が残ってしまうこともあります。また大人ニキビに加えて「体毛が濃くなった」「月経が来ない」といった状況が続いている場合には「多嚢胞性卵巣症候群」によるホルモン異常である可能性も考えられますので、大人ニキビができたら出来るだけ早い段階で皮膚科(美容皮膚科)を受診するのをおすすめします。

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