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医療記事

2023年1.2月号

冬本番! 子どものしもやけ の原因と予防

雪が降ると子どもたちは大喜び。雪だるまやかまくらづくり、雪合戦などをしに外に飛び出していく様子が見られますよね。でもそんなときに気を付けたいのが手足などに現れる「しもやけ(凍瘡)」です。肌が赤っぽい色になり、かゆみや痛みを伴うこともあるしもやけ。一体、どのように対処したら良いのでしょうか?今回は子どものしもやけの「原因」と「予防」についてご紹介します。

Q.「しもやけ(凍瘡)」とは?

A. 寒さで起こる症状です
しもやけは寒さで一般的に手足の指先や耳たぶなどが赤~赤紫色に腫れるほか、かゆみや痛みを伴う場合のある状態のことを指します。また医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれています。

Q. しもやけの原因

A. 血液の流れが悪くなることで起こります
寒さによって手足の指先や耳たぶなどが冷え、血液の流れが悪くなることで赤~赤紫色に腫れる、かゆみや痛みを伴うといった状態を引き起こすしもやけ。「気温4~5℃」「1日の気温差が10℃前後離れる」と発症リスクが高まると言われ、真冬に発症しやすいように思われがちですが、実は季節の変わり目の方がしもやけになりやすく、注意が必要です。
ちなみに冬の登山などで起こる「凍傷」と名前が似ていますが、気温4~5℃ほどで起こるしもやけに対し、凍傷は皮膚に寒冷が直接作用したときに、組織が凍ることによって生じる傷害を指します。

Q.しもやけの症状

A. 2つのタイプに分かれます
しもやけの症状は大きく分けて3つのタイプがあります。

①樽柿(たるがき)型
通称「T型」と呼ばれます。しもやけになった部分がまるで熟した柿のように、赤~赤紫色に腫れ上がるのが特徴です。このタイプは子どもを中心に出やすいと言われ、ひどい場合は傷や水ぶくれのようなものが出来ることもあります。

②多形紅斑(たけいこうはん)型
通称「M型」と呼ばれます。赤い斑点のような腫れが複数現れるのが特徴です。青年以降に出やすい症状と言われています。

③混合型
通称「MT型」と呼ばれます。人によっては上記に挙げた2タイプが混合した症状が現れることもあります。

Q.症状として現れるのはかゆみや痛みだけですか?

A.ひどい時には水疱や潰瘍になることも
症状のほとんどはかゆみや痛みを伴うといったケースが多いようですが、ひどい時には「水疱」や「潰瘍」になることもあります。

Q.どんな場所にできやすいの?

A. 手足や耳たぶなど様々です

手足、手足の指先、頬、膝頭、耳たぶ、鼻など様々な部位に現れます。

Q.受診の目安は?

A. 気になったら早めの受診を
・かゆみや痛みが強い
・かきむしって肌が荒れてしまう
・広範囲にしもやけの症状が出ている
・水疱や潰瘍といった症状が現れている
・皮膚が白い、または黒い
などの場合は早めの受診をしてください。

その他にも気になることがあれば受診することをオススメします。

Q. どんな治療をするの?

A.しもやけの治療は保湿剤やビタミンE軟膏などの塗り薬の処方が出されることが多いです。
状態によっては血液の流れを良くするニコチン酸トコフェロール(ビタミンE)、炎症を抑えるステロイドなどが処方されることもあります。

Q. しもやけの予防ってあるの?

A. まずは保温をしましょう
しもやけは予防をすることで症状を抑える、または軽減させることが期待できます。以下は主な予防方法ですが、しもやけになった際の改善方法としても役に立ちますので、参考にしてください。

【外出の前にしっかりと保温する】
外出の際は手袋や厚手の靴下、帽子、マフラー、耳当てなど身体の末端部分を中心に保温してから出かけましょう。

【汗だくの状態を避ける】

防寒アイテムを身に付けている分、汗をかき衣類が濡れる、汗で蒸れるといったことが多くなります。そのまま放置してしまうと身体の冷えに繋がり、結果的にしもやけに繋がっていたというケースも少なくありません。特に子どもは体温が高く冬場でも汗をかきやすいため、よく観察して早めに濡れた服を取り替えてあげましょう。また雨や雪などが降っている場合は、靴下などが濡れることも多いため予備があると安心です。

【サイズに合った靴を履く】
寒くなると厚手の靴下を履くことも多くなり、いつもは問題の無い靴でもきつくなってしまうこともあります。しもやけは血液の流れが悪くなることで起こるため、出来るだけ血液の流れが妨げられないように厚手の靴下を履いても問題の無いサイズの靴を用意しておくのも大切です。

【入浴やマッサージをする】
入浴やマッサージは「身体を温める」「血液の巡りを良くする」といった効果が期待できます。適温にしたお湯に10分~15分ほど入浴するのがオススメです。またしもやけになっている場合、急激に温まることでかゆみが強くなるのを避けるため、かけ湯などをして徐々に身体を温めてから入浴しましょう。入浴後には保湿剤を塗り、マッサージは肌を傷つけないように優しく行ってください。親が子どもへ声掛けをしながら行うと親子のスキンシップにも繋がります。

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