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医療記事

2022年7.8月号

子どもの皮膚トラブル。これって一体なに?

子どもたちの皮膚は大人に比べてデリケートで敏感。首回りや脇の下、ウエスト部分などをいつの間にか痒がり、気が付いた頃には皮膚がジュクジュクしていたなんて経験、ありませんか?また、さまざまな皮膚に関する病名は耳にするけど、実際に子どもの皮膚を見ても「どの皮膚トラブルなのか分からない」という方も少なくないのではないでしょうか。今回は代表的な皮膚症状や疾患である「汗疹(あせも)」、「湿疹(しっしん)」、「蕁麻疹(じんましん)」についてご紹介します。

Q.「汗疹(あせも)」とは?

A. 子どもに多く、汗腺が詰まることで発症します

汗疹は大量の汗をかいた時に、汗の通り道である汗管が詰まることで出来る皮膚疾患です。汗がスムーズに外へ出ていけないことから、皮膚の中に漏れ出てしまうことで炎症や水ぶくれ、細かいブツブツなどが現れます。また子どもも大人も汗腺が同じ数のため、子どものほうが汗腺の密度が高く、より汗疹になりやすい(目立ちやすい)と言われています。

 

Q. 汗疹になったらどうする?

A.まずは清潔に。掻きむしらないようにするのが大切です

汗疹の程度にもよりますが、痒くなく少しだけ赤いという場合は2~3日で自然と治癒することが多いです。その場合は蒸しタオルなどで優しく拭き、皮膚を清潔に保つように心がけましょう。しかし炎症が進み、痒みを伴う場合は爪などで掻きむしってしまうと皮膚が傷つくだけでなく、爪の中に菌が入り込んだ結果、他の皮膚に移り「とびひ」になる可能性も。その様な場合は出来るだけ早く皮膚科へ行きましょう。また再発防止には「こまめに汗を拭き取る」、「汗をかいたら早めにシャワーなどで流す」といったことが有効です。

 

Q.「とびひ」になってしまった場合は?

A.皮膚を清潔にして、ガーゼなどで保護してください

もし、とびひになった場合は皮膚を清潔にして、滲出液(しんしゅつえき)が他の場所につかないようにガーゼなどで保護してあげてください。特に夏は汗をかきやすい季節のため、入浴させましょう。入浴の際には石鹼を泡立てて、優しく洗ってください。また掻きむしって皮膚をさらに傷つけないためにも爪を短く切ることもオススメです。もし兄弟や姉妹がいる場合はとびひが感染することもあるため、入浴の順番を最後にするのも良いです。

 

Q.「湿疹(しっしん)」とは?

A. 湿疹の原因はさまざま。皮膚が炎症を起こすことで発症します

湿疹は赤みや痒み、ブツブツなど、皮膚に生じる炎症の総称で、皮膚炎とも呼ばれます。汗疹は汗腺が詰まることで肌が赤くなりますが、湿疹は発生する場所を選びません。また、赤ちゃんから大人まで幅広い年齢の方が発症します。原因はさまざまあり、金属や食べ物、化粧品などに触れるといった外部からの刺激が関係していることがあります。原因がはっきりしないことも多く、今までは平気だったものが原因で、突然湿疹を発症することもあります。症状が悪化すると傷口がジュクジュクとするほか、水疱が出来ることも。

 

Q.湿疹になったらどうする?

A. 原因が判明している場合には、それらを取り除くことが大切です

湿疹を起こしている原因がはっきりと判明している場合は、それらを取り除くことが大切です。外用薬や内服薬を使用することで症状が治まることもあるので、原因を明らかにするためにもまずは皮膚科を受診してください。治療をせずに放置してしまうと慢性化して皮膚の表面が硬く、またザラザラと粗くなり、完治までの時間が長引くこともあります。

 

Q.「蕁麻疹(じんましん)」とは?

A.8割以上は持発性。ストレスや温度差、圧迫の刺激などが誘因になります

蕁麻疹は皮膚の中にある小さな血管が膨らみ、ぷっくりとした赤い腫れや痒みが現れる皮膚疾患です。蕁麻疹の場合はぷっくりとした赤い腫れが突然現れ、早い時には数十分経つと何もなったかのように消えてしまうのが特徴です。また一見、虫刺されのようにも見えますが、虫刺されの場合はすぐに消えることが無く、しこりのようなものが感じられるほか、掻きむしることで表面がジュクジュクとすることが多いです。

 

Q.蕁麻疹になったらどうする?

A.まずは原因を探してください

湿疹と同様、まずは蕁麻疹の原因となるものを見つけ出し、それらを取り除くことが大切です。皮膚科を受診した結果、蕁麻疹の原因が中々特定出来ないこともあります。このことから生じる心身のストレスが蕁麻疹をより悪化させることもあるそうなので、リラックスできる環境作りを心掛けるのも良いかも知れません。

 

 

監修/春日居皮フ・リウマチクリニック
山口美由紀院長
笛吹市春日居町別田164-1
0553-39-8658

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