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医療記事

2024年1.2月号

意外と知らない?!寒さに反応する「寒冷蕁麻疹」の原因から治療法まで

そろそろ冬本番。気温が低くなり、乾燥しがちな季節になりました。歩いていると冷たい風が頬などに当たることもあるのではないでしょうか。今記事で紹介する「寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)」はそんな“寒さ”に関係する病気です。物理性蕁麻疹の一種である寒冷蕁麻疹の原因や予防、治療方法を知り、この冬を健康に乗り越えましょう

Q寒冷蕁麻疹ってなに?

「寒冷蕁麻疹」とは「物理的な刺激からくる蕁麻疹」の一種です。蕁麻疹と聞くと特定の食べ物を摂取したことによるアレルギー反応や、細菌感染によるものといったイメージが強いですが、物理性蕁麻疹はそれらとは異なり、気温や摩擦、紫外線などの物理的な刺激によって引き起こされる蕁麻疹になります。寒冷蕁麻疹は気温が低くなる秋から冬にかけて多く発症すると言われ、発症者にもよりますが多くは紅斑とブツブツと隆起した皮疹、痒みが現れます。

Q原因は?

寒冷蕁麻疹の主な原因は「寒さ」「冷たさ」による寒冷刺激です。
例えば・・・
・冷風に当たった
・体温よりも冷たい水や氷などに触れた
・クーラーの効いた部屋にいた
・冷たい飲み物を飲んだ
などが原因で発症します。

上記のような寒冷刺激を受けると自律神経を介してかゆみの原因となるヒスタミンが大量に分泌し、血管を拡張させることなどで蕁麻疹が発症すると考えられていますが、詳しいことはまだ判明していません。また自律神経機能がしっかりしてくることで大人になるにつれ改善するケースや、幼少期は発症していなかったとしても大人になって発症するというケースもあります。

Qどんな症状がでるの?

症状は2パターンあり、寒冷刺激を受けた箇所だけが発症する「局所性寒冷蕁麻疹」と身体の全身が冷えることによって発症する「全身性寒冷蕁麻疹」に分かれます。どちらも寒冷刺激を受けた直後から数十分後に紅斑とブツブツと隆起した皮疹が現れます。寒冷蕁麻疹の場合、小豆ほどの大きさの膨疹が広がることが多く、比較的強い痒みを伴います。また重度の場合は全身がむくむほか、呼吸困難になることもあります。

Q寒冷蕁麻疹の治し方は?

寒冷蕁麻疹は蕁麻疹と同様に症状が出始めてから数時間から24時間以内で、痕が残ることなく自然に消えることがほとんどです。強い痒みを伴うため掻きむしってしまうことが多いですが、その刺激によって皮膚が傷つき湿疹化したり蕁麻疹が広がる可能性もあるため注意が必要です。慢性的な状態であり症状がなかなか収まらない場合や、痒くなることで日常生活が過ごしにくいと感じる場合は皮膚科での受診をオススメします。

Q寒冷蕁麻疹の予防とは?

寒冷蕁麻疹は外気温の変化ではなく皮膚温度の変化で発症するため、可能な限り寒冷刺激を防ぐ予防をすることが大切です。例えばジョギングで外を走った際に汗をかき、風が当たることで身体が冷えて発症した経験があれば「ジョギング後すぐに屋内に入る」ことで風を防いであげるといった予防が有効です。ほかにも外出中であれば冷たい風が当たるのを防ぐために「マスクを付ける」「手袋やマフラーを身に付ける」、お風呂上りに発症する場合には「風呂場の中で身体についた水滴をタオルで拭い、素早くバスローブを羽織る」などが有効と言えます。自分自身がどんな環境で寒冷蕁麻疹を発症しやすいのか考え、それに対して対策を練りましょう。

Q病院へ行くタイミング

症状の多くは時間の経過とともに自然に収まります。しかし、外出先でのクーラーなど対策を練っても避けられない寒冷刺激から頻繁に寒冷蕁麻疹を発症してしまい、精神的に辛くなるほか、痒みをどうしても我慢できない、なかなか症状が収まらない、症状によって日常生活が過ごしにくい、などの場合には皮膚科を受診して相談してください。また寒冷蕁麻疹だと思っていたら実は違う病気だったという可能性もあるため、違和感を感じた場合は放置せずに皮膚科を受診してください。

Qどんな治療をするの?

皮膚科に受診をした際、まずは寒冷蕁麻疹であるかどうかを調べるため問診を受けます。場合によっては氷を皮膚に当てて寒冷蕁麻疹が発症するかどうかを調べることもあるでしょう。寒冷蕁麻疹であると判断された場合の多くは抗ヒスタミン薬を処方され、予防的に服薬を続けていくことで発症しない生活を目指します。また発症した際に症状を緩和するために塗る軟膏やクリームを処方されることも多く、症状の重さによっては自律神経調整薬を試してみることもあります。また治療する際はしっかりとかかりつけ医と相談し、治療内容を理解して改善を目指しましょう。

監修/春日居皮フ・リウマチクリニック
山口美由紀院長
笛吹市春日居町別田164-1
0553-39-8658

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