シェフのカオリさんは、女性猟師であり一児の母
「父の仕事の影響で幼い頃からジビエを口にする機会が多く、猟師に憧れがありました」と、店主のカオリさん。
今年4月にオープンした「ヤマワラウ」は、季節の野菜と新鮮なジビエが味わえる食事どころ。
一児の母であり、狩猟の免許をもつ猟師のカオリさんが、山からいただく全ての命に心からの感謝を込めて調理し、
訪れる人の心と胃袋を満たしてくれる。
見た目は美しく、香りは華やか。心とからだが喜ぶ料理を私たちに届けてくれます。
「寒い冬が終わり、草木が一斉に芽吹き始め、春を喜ぶかのように咲く山の景色を、昔の人は『ヤマワラウ』と表現しました」
と、メニューボードに添え書きが……。
「ヤマワラウ」は、山に生きる動物や植物を私たちの生きる糧として戴くという“命の大切さ”を伝えてくれます。
「狩猟の免許をとって猟師になったのは、子どもを産んでからなんです。若い頃は田舎町があまり好きではありませんでした(笑)」
とカオリさん。カフェや保育施設などで10年以上調理の仕事に携わっていたカオリさんは、
子どもを持ったことをきっかけに、山に呼ばれるように惹かれたそう、
「母になり、ある日突然山に入りたいと思いました。そんな折、ご縁があって身延の猟師さんの元に弟子入りさせていただきました」
ジビエと季節の野菜。心とからだがエネルギーに満ちる料理
「師匠のもとで、1年ほど山を歩き、草木や動物に触れて、見て、知識を深め、狩猟の免許を取得しました」
カオリさんは毎年猟が解禁になれば、山に入るという現役の女猟師です。
「狩猟をはじめてから、食の“有り難さ”をより深く感じるようになりました。
肉も、野菜も、毎日意識的に摂取を心がけている人が多いと思います。けれど本来、食べたいと思ったときに食べれば十分。
季節ごとに食べたくなる旬の野菜には、その時々私たちに必要なエネルギーが詰まっているんですよ。
それと、こちらでお出ししている鹿や猪の肉は、紛れもなく山を駆け巡っていた命。
野生のものって、スーパーで売っているそれとはエネルギーが違うと思います。
肉の食感と甘み。そして香り。「ヤマワラウ」で戴く、上品な味のジビエはきっと、子どもから大人までおいしく戴けるでしょう。
「食べることは、生きること」とカオリさん。
友人と訪れるのはもちろん、ひとりでも、子どもとでも。心を伸びやかにしてくれる古民家で、生きることに向き合う丁寧な食事を味わって。
※予約来店がオススメ