2年ほど前から米粉パンのレッスンを行っている加藤 里美さん。教室では小麦・乳アレルギーに対応したレシピを教えています。今年の10月より、その米粉パンに酒種(さかだね)を加えて作る酒種米粉パンを新たに教えることになりました。酒種とは、水・米(ご飯)・米麹を元に作る日本独特の酵母のひとつで日本酒作りなどに古くから利用されてきました。通常、米粉パンに使用する酵母はイーストのみですが、酒種を加えることでより時間をかけずに作れるほか、風味やもちもち感が更に加わるのが特徴です。
元々、里美さんは小麦パンの講師として4年ほど携わってきました。そんな里美さんが酒種米粉パンの道に進んだのは次男のアレルギー発症がきっかけだと言います。「次男が高校1年生の時に突然、小麦と乳製品のアレルギーになりました。それまでは問題なく私の作った小麦パンを食べたりしていたので、私も次男もビックリしましたね。私のせいで次男がアレルギーになったのではと自分を責めることもありました。しかし、そうは言っても家族にご飯を作って食べさせてあげないとならない。なんとか切り替えて次男を含め、家族全員が美味しく食べられるものを作ろうと食について調べることにしました。そして米粉パンを知り、初めて作った時に次男が『美味しい』と言ってくれたことから火がつきました」と里美さん。当初は一般的な米粉パンを試作していましたが、研究を重ねていくうちに酒種を使用した米粉パンへと辿り着いたそう。その後、周りの人から酒種米粉パン作りを教えて欲しいという声があり、教室を本格的に始めることにしました。
「私のようにどんなきっかけで仕事に繋がるか分からないので、例えば小さなお子さんがいて思うように働けないような時期には自分の好きなことをスマホで調べて勉強する、隙間時間にインスタライブなどで活動するなども良いかも知れませんね」と働きたいママ達へのアドバイスも頂けました。小麦パンと酒種米粉パンの両方の知識を活かし、小麦・乳製品を除去しつつも乳不使用のチョコや紅麹を使用して色を付けるなど、見た目や味にこだわった「小麦パンみたいな酒種米粉パン」を目指して研究し続ける里美さん。これからどんな酒種米粉パンが里美さんの手によって生み出されるのか楽しみです。